理知の誤りについて
今日は患者さんと話していて、「理知の誤り」という話題になりました。
かなり昔のものですが、わたしがアーユルヴェーダを学んできたドクター蓮村のツイートに、「理知の誤り」に関して、とてもわかりやすく説明されているので、それをまずはシェアしてみます。
2013年7月27日
人はさまざまな“思い込み”を持っています。自分で何となく気がついているものと、まったく気がついてない場合とがありますが、大半はやはり気がついていないものです。人には「理知」とよばれる、“何でも決定する能力”があります。
この能力は、およそ3つの心の機能レベルに分けることができます。
1つは私たちの日常の経験を決定するより表面的なもの。たとえば、昼ご飯に何を食べるかを決める。テレビ番組で何を見るかを決める。旅行の日程を決める、などのように、 自分がそれを決めていることを自覚できるレベルです。
2つめは、ほぼ無意識のうちに決めているレベル。たとえば、朝起きたらすぐにトイレで排泄をする。電車から降りたらタバコを吸う。
食事はまず味噌汁から手をつける、などのように、 自分がそれを決めながらやっているという自覚はなく、ふだんはほぼ無意識に決めておこなっていること。
そして3つめは、完全に無意識のうちに決めているレベル。たとえば、味噌汁を飲んだときに感じる塩味。鑑賞した絵画から受けた印象、 そして、自分の未来への希望、などのようにそれを自分が決定しているという意識はなく、それは自然とそのように感じていると思っていることです。
じつは、「思い込み」は、この3つのすべてのレベルで生じます。
そして、1つめのレベルの思い込みの場合、それを指摘され、間違いだと気がつくことができれば、それを修正し、人生を改善することができますが、
2つめ、そして3つめのレベルの思い込みは、自分でそれが思い込みだと気がつかず、もしそれが間違いだったとしても、直すことが困難なのです。つづく
2013年7月28日理知と呼ばれる決定する能力が機能する3つのレベル。それは、私たちが日常で何かを決めていると意識出来るもの、ほぼ無意識で決めているような習慣化しているもの、そして決めているという意識はなく、むしろ感じていると思うもの、です。
ドクター蓮村のツイートより
1つめと2つめはすぐに理解できると思いますが、やはり3つめのものは理解しにくいですね。味噌汁を飲んだ時に感じる塩味を自分が決めているという認識は普通ありませんし、素敵な絵画を鑑賞した時に心が受ける印象を自分が決めているとは認識しません。
しかし、こうした五感の働きにおいて生じる感じ方も、心がどのような印象を持つかなども、やはり理知の働きによるのです。例えば、子猫を見た時に可愛いと感じる人と、とくに何も感じない人がいますが、この感じ方の違いは理知の働きによるのです。
こうして見ると、理知の働きは、人が生きる上でのおよそすべてに関連して何かを決定しています。つまり、理知の働きがもし間違っていると、人は自分の人生を望むように、幸福の拡大を実現していくことが難しくなってしまうばかりか苦しみを体験するのです。
たとえば、すでに肥満傾向にあり、血糖値も高い人が、甘い物をとても“美味しい”と感じてしまうと、その人は甘い物を止めることが困難となり、そのまま食べ続けてしまえば、糖尿病になってしまうかもしれません。
つまり、そうした状態にある人の場合、本当であれば、理知の働きとしては、甘い物は“美味しくない”と感じることが正常なのですが、そうではなく身体を害する決定し、“美味しい”とするのであれば、それは理知の働きが間違っている、ということになるのです。
私たちは皆、様々なレベルで理知の働きに間違いをもっています。そのことをきちんと理解し、それを正し、より人生を快適に、そして幸福の拡大を実現していきたいのです。8月3日に、『「思い込み」という毒が出る本』(さくら舎)が出版されます。
理知の働きについてや、思い込みのさまざまな種類、そしてその解決法などについて詳しくまとめました。興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
https://twitter.com/fundocq
噌汁を飲んだときに感じる塩味や、鑑賞した絵画から受けた印象 などを、自分が決めていたなんて、ちょっとびっくりしますよね。
理知の働きが間違った判断をしてしまうことを「理知の誤り」とよびます。
第一段階は「誤った理解」で、間違った情報や、思い違いによるもので、正しい知識をしればやめることができるというレベル。
第二段階は「自制の欠如」、喫煙や深酒、夜更かし、過食のように、わかっちゃいるのにやめられない レベル。
第三段階は「記憶の障害」で、第二段階がさらにひどくなり、自分でしていることがおかしいと気づくことがえきないレベルです。
理知の誤りの3段階目の、自分の間違いに気がつくこともできない段階はとても深刻です。
なぜなら、その段階にあると、生理機能の深いレベルで障害を引き起こし、重篤な病気になる可能性もあるそうで、
たとえば、DNAに異常をきたし,癌のような病気になってしまうこともあるそうです。
うちの父は、晩年、咳をしながらもタバコを吸っていて、あきらかにタバコのせいで身体に異常をきたしていたのに、家族がどんなに身体によくない!と言っても「タバコをやめるぐらいなら死んだ方がましだ」とか、「これが俺にとってのストレス解消の健康法なんだ」といつも言っていて、
まさに「記憶の障害」レベルの理知の誤りがあったわけなのですが、
最終的に肺癌で亡くなってしまいました。
今や、国民の2人に1人は癌になり、3人に1人は、癌で命を落とすと言われています。
まさしく、日本国民の多くが、知らず知らずのうちに、理知の誤りが「記憶障害」のレベルまで進んでしまうということです。
本質的に人間は、誰でも「自分にとってちょうど良い」を知っています。どれくらいの運動量が適しているのか、朝食はしっかり食べたほうがいいのか、軽くしたらいいのか、あるいは抜いたほうがいいのか。。どんな仕事をしたらいいのか、この人の言うことを信じていいのか、あるいは信用しないほうがいいのか。。などなど。自分の人生を快適により幸福にしていくために、
自分にとって、なにが大切で、なにを遠ざけたほうがいいのか、どんな行動をすればよいのか、すべてわかっているのです。
ですが、現代生活は玉石混合の情報に溢れ、また、スマホやパソコンの発達で、常に小さな画面と睨めっこする時間が長く、脳神経にストレスを抱えている人がほとんどなので、
「自分にとってのちょうど良い」がわからなくなってしまっているのです。
そういう人が、食べたいものを食べたいだけ食べていると、太ってしまったり、糖尿病になってしまったり、
好きな仕事だからといって、適切に休息することをせず、睡眠不足のまま活動を続けたら、病気になってしまう
なんてこともありがちですね。
だからといって、急に知識に従って、大好きなお酒を突然やめたり、甘いもの断ちをしたりだなんて、なかなか難しいです。
自分が健康になるため、あるいは幸福の拡大をしていくために、間違った習慣だったとしても、それを急に意志力でやめたり変えようとすることは、それはそれで脳神経にとても負担がかかることで、意志力でやめようと努力することじたいが、新たなストレスになってしまい、違う悪習慣を生んだり、反動で山ほど食べたり飲んだりしてしまうことに繋がります。いわゆるリバウンドです。
では、「理知の誤り」を無くしていくには、どうしたらよいのでしょう?
具体的なアプローチはいろいろあるのですが、
簡単なのは、第一段階の理知の誤り「誤った理解」をなくしていくことです。
第一段階の状態なら、ただ知らなかっただけなので、正しい知識を得ただけで、正すことができます。
正しく知るために、
上記のツイート内で紹介されているドクター蓮村の
『「思い込み」という毒が出る本』 はとてもおすすめですし、
もう一冊 『幸せになるために、やってはいけないこと~アーユルヴェーダ5000年の幸福学 「最小の努力で最大の効果」~ 蓮村 誠 』
もおすすめです。
本を読むのがめんどくさい方には、アーユルヴェーダの講義とアーユルヴェーダのランチが食べられる、 喫茶カペラ での講座も、とてもおすすめです。
直近では、5/4(土)にダブルヘッダーで行います。
5/4(土)11:00 アーユルヴェーダ講座とデトックスランチ@喫茶カペラ オージャスについて知りオージャスを増やす」
5/4(土)15:00 アーユルヴェーダ講座とデトックスランチ@喫茶カペラ 「消化力を高め、万病の元である毒素(アーマ)を減らす」
個別に自分の今の状態を、しっかり把握した上で、アドバイスが欲しいかたには、グリーンサロン鍼灸院の
自分の身体を味方につける養生コンサルテーション(健康相談窓口) 60分 6,000円
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どうぞご活用くださいね!
その他、このブログでもご紹介してきた
お白湯を飲むこと → お白湯の飲み方
早寝すること → 早く寝てみよう!
日常をできるだけ規則正しく暮らすこと → 養生は日常から
作り立てのご飯を食べること → 新鮮なお野菜、調理したてを召し上がれ!
などなど、日常で少し心がければできそうなことも、いろいろあります。
ぜひ、参考にして、これならできそう!と思ったところからやってみてくださいね。
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