良薬は口に甘し

 

昨年からのコロナの蔓延により、今までは健康のことなんか特に考えていなかったけど、

これを機に、自分なりに免疫力を高めたり、健康増進をはかるための食事や運動など

取り入れられている方も多いと思います。

 

一般的に健康的な食事やライフスタイルというと、なんとなく窮屈なイメージや

美味しくないけど、健康のためには我慢して食べるとか、

あるいは、少食がよいからと、食べたいのを必死でこらえて断食するとか。。

「良薬は口に苦し」のイメージがあるのではないでしょうか?

みなさまは、自分なりに健康的な生活を取り入れてみて、順調に健康増進が図られているでしょうか?

一般的に健康に良いと言われているものでも、自分が試してみたら

いまいち自分には合わなかったとか、美味しいと感じられなかったとか、苦痛だった。。

美味しく感じられるし、それを食べると身体の調子も良かった、が、それを作る、あるいは用意する手間を考えると、おっくうになってしまってなかなか続けられない。。。

そんな経験をされた方も多いかと思います。

自分は、よくても家族にはめっちゃ不評。。。

これもあるあるですよねー(^_^;) 我が家でもしょっちゅうです。

 

健康に留意した生活をしようと思って、まずはインターネットを検索すると

たくさんの情報の嵐で、何を信じてよいのやらわからなくなるのがまずは最初で

その中で、友人も取り入れていたとか、芸能人も取り入れているからと目星をつけて

自分もやってみたけど、

いまいち、これで良いのかどうかわからない。。。

良さを実感できずにいる。。。

そういう方もきっと多くいらっしゃると思います。

そういう人達に、まずお伝えしたいのが、

 

「良薬は口に甘し」ということです。

 

先にも述べたように、一般的には「良薬は口に苦し」のイメージがあるので

多くの人は、それを自分が美味しいかどうかとか、心地よいかどうかということはさておき、これは身体に良いはずだ!と、頭で考えて、情報のほうに自分を合わせてしまおうとしてしまいがちです。

でも、残念ながら、情報のほうに自分を合わせてみても、いっこうに健康にはなれません。

なぜなら、情報というのは、真の知識からすると片手落ちだからです。

以前

健康になるための食べ方3原則『誰が』『何を』『どのように』

の記事でもお伝えしましたが、

何を食べるか? あるいは、食べないのか?

ということに関してでも、それは誰が食べるのか?

で、人それぞれ、その食べた物が有効に働くかどうかは変わってきてしまうわけなのです。

 

この間いらした患者さんが

「健康になるには、玄米を食べた方が良いのに、家族が嫌がるし、我が家は白米なんです」

と。。懺悔するように仰ったのです。

その患者さん、かなり胃腸が弱っていらしたので

「そういう方には、玄米は消化に負担がかかるだけなので、
食べる必要はありません。

玄米の栄養価は確かにすぐれているかもしれないですが、
日本人は、総じて消化力を乱している人が多いし、
よく噛んで食べるほど、余裕がある人も少ないし、

本当に玄米を食べて健康になっていく人は、とっても少ないのです」

と、お伝えしたら

「えー、そうなんですか??」

「先生は、白米食べているんですか?」

と。。

「我が家は、母が歯が悪いし、夫は単純に白米大好きだし、無理して玄米食べても消化されずにそのまま排泄される言うし、玄米もときに外食で頂くことはあっても、基本家では白米を美味しく頂いています。それでも十分健康増進してますよ~♪」

とお伝えしたら、

「それ聞いて、救われました!!」

と、ほんとうに満面の笑みで仰っていました。

治療しながらの会話だったのですが、
身体全体がすっと緩んで、

とても気の流れもスムーズになりました。

 

人が健康になっていくのって、正しいとされることを実践したからではなく、

「体全体がふっと緩む、表情が和やかになる。。」

こういうことの積み重ねなのです。

 

「美味しい」や「心地よい」や「楽しい」「快適」

そんなことの積み重ねで、日々健康は創られていくのです。

 

もっといえば、食事にしても、運動にしても「誰が」「何を」「どのように」という3つの観点を
しっかり考慮して、自分に合うものを取り入れていくようにすると

「美味しい」や「心地よい」が日常に増えていくのです。

わたしがアーユルヴェーダに出会って、まだそんなに知識はなかったけど
アーユルヴェーダの医師の処方を取り入れてみたり、先生の書いた著書の中から

できそうなことを実践してみたら、

なんといっても、それが快適で、またやりたくなる!

お白湯や、早寝早起きや、なるべき炊きたてのご飯を食べること

など、どれも病みつきになったから、やめられずにいる。。。

そうしているうちに、どんどん自分センサーに磨きがかかり、
より、自分にとって快適なものを自然と選べるようになってきているということなのです。

やらなければならないからではなく、好きだから、快適だからやっていることばかりなのですよね。

そして、気が付いてみたら
健康のために苦痛を強いていることなんか、今となっては一つもないんですよね。

 

アーユルヴェーダを日常に取り入れながら、その後鍼灸師になるべく専門学校で学ぶかたわら、アーユルヴェーダの専門コースにも通うようになり、

身体のことや心との関連、意識についてなど深く学び、

 

そして、今、はり灸の施術を通してや、アーユルヴェーダ講座で出会う
たくさんの人達をみていても、

健康増進や幸福の拡大をはかるのに、

我慢や努力は、ほんといらないなーと、確信しています。

溢れる情報に翻弄されないためにも
正しい知識は、たしかに持ってほしいとは思うのですが、

それでも、正しいと言われる知識に固執することで
いま、ご自分が苦しくなっているなら、
その知識のことはいったん忘れてよいと思います。

 

中医学では「お酒は百薬の長」だと言われ、少し飲む分には気血の巡りがよくなるので
健康増進に一躍かってくれると言われますが、

アーユルヴェーダでは、アルコールはタバコと並んで、オージャス(生命エネルギー)を破壊するので、どんな人も摂らない方が良いとされていて、

これを知ったときは、お酒好きの私としてはかなりショックでした。。

でも、
何が何でも止めようと思ったわけでもなく

飲みたいときには飲む、というのをずっと続けてきていたのですが

気が付いたら、あるときからあんなに大好きだったお酒が、
美味しいと感じられなくなってきていて

飲んだそのときは美味しく感じられても、その後がやっぱり快適ではないので

ほんとに飲むことがほとんどなくなりました。

 

アーユルヴェーダの医師は、子供の頃は苦くてとても飲めないと思っていたお酒が飲めるようになったり、タバコが美味しいと感じるようになるのは、それは大人が「ストレス」を抱えているからで、小さい子供はストレスがないのでお酒やたばこが美味しいと感じることはないのだと仰っていたのですが、

いまは、そのことが身をもって実感できました。

ストレスがある状態のまま、お酒を無理にやめようと思ったり
女性の場合は、甘いものを無理してやめようとしても、

根本のストレスがなくならない限り、必ずリバウンドしてしまうことになるし、
好きな物を我慢することで、さらにストレスを重ねてしまうことにもなりかねないのです。

なので、あわてず、今の自分にとって、「心地よい♪」「美味しい♪」「ちょうどいい♪」センサーを頼りに、少しずつ進んでいくのが、結果的には近道なのです。

アーユルヴェーダに出会い、
自分にとって、美味しい♪や心地よい♪ というセンサーを大切にしてきて
少しずつ健康が増進されて、若い頃にアトピーや子宮内膜症で悩まされていたのが
嘘のように、今、とても快適で
良いことづくめなのですが

唯一、残念に思うのは、お酒が美味しく飲めなくなってしまった。。
これぐらいでしょうか。。(^_^;)

 

私の姉は、4歳のときに死ぬか生きるかの大病をしまして

(姉の病気に関する記事 → 身近な東洋医学)

そのときに、入院して一命はとりとめたものの、
退院してからも、またすぐに熱がでては、病院に通う日々が続き、

そこから漢方の煎じ薬にたどりついたのですが、

姉の病状に合わせて処方してもらって、何時間も煮だしたその漢方の煎じ薬
大人でも、とても苦くて飲めたもんじゃなかったそうなんですが、

姉は、それをゴクゴク飲み、お医者様も目を見張る快復をみせ
その後健康優良児になったのです。

病院での血液検査が、ほんとに姉にとっては拷問のようだったみたいなので、
それに比べると、少々苦いぐらいの漢方薬を飲むくらいは、どってことなかったのかもしれません。

そして、今でも家族が集まるとその話になるのですが、
姉曰く、「あの漢方薬、そんなにまずくなかったんだよね」とのことなのです。

苦い漢方薬といえども、体調にぴたりと合うと
その苦味が本人にとっては、なんともいえぬ甘味に感じられたりするのです。

これぞ、「良薬は口に甘し」です。

 

なので、みなさんも

安心して、自分が美味しいと感じるもの、美味しいと感じる分だけ
存分に食べてくださいね。

そしてこの場合ですが
「美味しいと感じる分だけ!」 ここポイントです。

どんなに、美味しいと感じるものでも、度を超えて食べ過ぎれば苦しくなるはずです。
苦しくなるまで食べてしまうと、それは苦痛なはずなので、苦痛は避けましょう。

美味しく感じるものを、美味しいと感じる分だけ

ぜひ、堪能してくださいね。

それが、健康増進の一つの秘訣です♪ そして、きっとそれが最短の道です♪

でも、あまりにも自分のセンサーが鈍っていて、苦しくなるまで食べたないと気が済まないとか
美味しいと思って食べたのに、次の日に胃が持たれるとか、便通が滞るとか、手足が冷えるとか、
夜、よく眠れないとか

心地良いセンサーが誤作動しているなーと思う場合には、
ぜひ一度治療を受けにいらしてくださいね。

自分の感覚は、日々自分で磨きをかけるのが一番なのですが、

疲れすぎているときは、悪循環のスパイラルからなかなか自分では抜け出せなかったりするので、そういうときは一人で右往左往せず、プロの力を借りて、さっさと抜け出てしまうのが早道です。

良い状態のときは、そのときで、プロの視点から客観的なアドバイスをもらうことで、さらに自分センサーに磨きをかけていくことができるので、これはこれでお勧めです。

いずれにしても、「自分にとってちょうどういい♪」「自分にとって心地良い♪」を、

大切にしていきましょう。

最近のお気に入りのカフェ