誰から学ぶか?

2018年12月20日

みなさま、何かを学びたいと思ったとき、

どんな基準で学ぶところを決めていらっしゃるでしょうか?

まず、何を学ぶか?がもちろん、大切ではありますが、それと同じくらい、誰から学ぶか?も重要でよね。

先日、鍼灸学校時代のコアな仲間と会うのに着物で出かけていきました。

お腹周りが本当に温かくて、外は寒いけど内側はとても温かいという、不思議な安心感があります。

それで、そのとき着ていった着物は、私よりも背の高いお友達から頂いたもので、その方には小さいので、みどりちゃんなら着れるかも!?

ということで、譲ってくれたのですが、

私にも、丈が短くて、とても素敵な柄なのですが、なかなか着れずにいました。

それが、先日和裁士をしている叔母のところに行って、いろいろお話を聞いていたら、

丈が短くて、お端折りが出なくても、別にそのまま着てよいのだと、教えてもらったのです。

お端折りについて

【読み:おはしょり】きものを着たとき、帯の下に出て折り返してある部分のことで、きものの長さを調節することができます。おはしょりの長さは、指の長さ程度が程よいとされています。

江戸時代後期には、女性のきものは対丈でおはしょりがありませんでした。次第に丈が長くなり、屋内では裾を引き、外出するときに腰でたくし上げて短くしていました。明治中頃になると、屋内でもおはしょりをして着るようになりました。男性のきものはおはしょりをしないため、腰の部分で余分な長さを内側に縫い込む「内揚げ」がされています。裾が汚れたりすり切れたりした場合は、洗い張りのあと、裾を切って仕立て直すことができます。

結婚式などの正式の場で着るには、きちんとしたものが良いのだと思いますが、

普段着に着るものに関しては、全然問題ないのだと。

でも、一般的には、『お端折りがちゃんと出ていないと、良くない』

と思われていて、

それは、着付け教室の弊害であり、本来、着物はそんな堅苦しいものではないのだと、叔母は言うのです。

そりゃ、そうですよね。だって、着物も、もとは普段着だったのですから。

お端折りがあることで、背が低いときに作った着物が、大きくなってからも着れるわけですからね。

和裁士の叔母は、着物というものを後世に残したいという思いから、自分も毎日着物を着るようになり、

毎日着るから、また見えてくることもたくさんあり、

私はそういう叔母の指南もあったので、普段着の着物というものに、親しめるようになったというのがあります。

ちゃんと着付け教室に通ったわけではないので、細かなしきたりやお作法など、未だによくわかってなかったりするのですが、

とにかく、日常で気軽に着物を着ることに不自由はないし、着物の心地よさを知っているので、着物を着ることじたいがとても楽しいです。

そんな様子は、見ている人にもわかるようで

『本当に着物をとても楽そうに着ているよね、洋服を普通にきてるような軽やかさがある』などと、言われたりします。

着付けを教えていらっしゃる先生とかかからしたら、ご指摘を受けるところが、もしかしらたくさんあるのかもしれませんし、

着物のちゃんとした文化を後世に残すのだ!

みたいな使命感でももっていたら、

こんないい加減な感じでは、いけないのかもしれないですが、

ま、そんな気負いはないし、日常着として、自分が楽しむには、十分だと思っています。

それで、何が言いたかったかといいますと

同じ着物を着るということでも、

誰から習うかで、全然違ってきてしまうということです。

きれいに着たいとか、海外でのセレモニーで着るためにとか、あるいは

教える人になりたいのなら

着付け教室とかで、ちゃんと習ったほうが良いかもしれませんが、

日常着として、楽しみたいと思ったときには、

やはり、日常着として着物を楽しんでいる人から習うのが良いと思うのです。

そして、鍼灸院を選ぶときにも、全く同じことが言えます。

自分がどうなりたいのか?

明日のサッカーの試合に間に合うように、痛みをとって欲しいのか、

パソコンの仕事で、肩凝りがひどいから、それを解消したいのか、

それとも、生理痛を改善したいのか、

いつまでも健康で美しくいたいのか

東洋医学は、かなり守備範囲が広いので、上のような症状は、どこの鍼灸院でも、たいてい網羅できてしまいますがね(⌒-⌒; )

それでも、鍼灸院といえども

先生のタイプもいろいろなので、より自分の目的を明確にして、選んだほうが、望む効果は得やすいと思います。

100歳時代到来と言われる今の時代は、現役を引退してからの人生デザインも、早いうちから視野に入れておいたほうがいいだろうし、

これからは、医療さえ、自分で選んでいく時代です。

かりに病気が発覚したとして、セカンドオピニオンという言葉も、最近は当たり前に聞かれるようになってきました。

そして、セカンド、サードとお医者様の意見を聞いたとして、でも最終的にどの治療を受けるのか?あるいは受けないのか?というのも、自分で決める時代です。

というわけで、

何かを学びたいと思ったとき、誰から学ぶのか?

鍼灸院に行ってみようと思ったときには、どんな先生に治療を受けたいのか?

同じサービスでも、「誰から」受けるのかが、これからの時代はとても重要なポイントになってくると思うのです。

ぜひ、何かを選ぶとき、「何を」だけではなく「誰から」ということも、吟味して選んでみてくださいね。