へこ帯からの身体の使い方考察
『おんぶ紐用の兵児帯』というのがあると
着物を普段着に気軽に着てもらうイベントでの打ち合わせのときに、初めて知り
昨日、そのおんぶ紐ようの兵児帯を実際に見せてもらって!
帯に当ててみたら、ほんとにこれそのまま帯になるねと
まあ、ほとんど形状が同じなわけだから
なんら不思議なことでもないんだけど
昔は、こうやって、布や紐をいろいろいろいろ
上手に使って暮らしていたんだなーと。
小袖という、普段着の着物に出逢いかなりゆったりめの単の着物に、
幅も狭めの腰帯をするというスタイルで、少しずつ生活する中で
このスタイルの着物は、身体が上手く使えないと、カッコよく着こなせないなーと
感じていて、でも着て日常過ごしているうちに、ほんとに身体が変わってくるので、下半身が充実して、上半身の力が自然と抜けていくというふうに、少しずつなってきてるんだけど
そうやって、身体がととのってくると
動いているほうが、楽で
身体を使って何かするほうが
身体がよりととのうというのも、感じていたんだけど
この、兵児帯での抱っこ
これは、身体が上手に使えてる人は
これで赤ちゃん育てることで
相当に身体がととのうだろうなーと。
子育てが、きっと楽しくなるだろうなと。
わたしは、子育ての経験がないから
わかったようなことは言えないけど
小袖の先生の腰帯レッスンで体験したときに
腰帯をした上で、何か重いものを持った方が(その時の姿勢や呼吸が大切だけど)、
実は身体の重心、軸が立ちやすく、その状態で立ったり座ったり、歩いたりは
とても気持ちの良いもので、いつまでもやっていたくなる心地よさだったんですよね。
なので、昔の人はたくさんの子供を産み、朝から晩まで働いて
そして、夜は暗い中で縫い物をして
それはそれは、大変な暮らしだったはずだけど
もしかしたら、それは気持ちの良い身体の使い方していたから
できたことなのかもしれないと
あくまで私の勝手な想像ですが、ちょっと思ったのでした。
今年84歳になる、私の母のそのお母さん
つまり、私の祖母は、子供8人産んでいて
私の母曰く、いつ寝ていたんだろう?
と思うほど、朝は早くから、夜遅くまで働いていたそうなんです。
そんな働きづめの暮らしでも、82歳まで、大きな病気をすることもなく元気に生きたという話を、つい先日母から改めて聞いたこともあり
今みたいな便利な時代ではなかったし、便利な道具もなかったけど
逆に上手に身体を使える、日々の暮らしの中で心地よい身体を育む、
そういう暮らしの智恵がたくさんあったんだろうなと思うのでした。
たつの先生の本「ちつのトリセツ」に書かれていた
「日本人女性の”産む力は、弱くなっている”」
という言葉と、
先日着物イベントの打ち合わせでお話しさせてもらった助産師さんの、
「身体を使うこと全然してきてない人が、
出産や育児をする段になり、急に身体を使うことさせられることになって、それはもう酷なことだ」
というようなこと話されていたのが
改めて繋がって、腑に落ちて、
なかなか大変な時代だなとは確かに思うのですが、
でも、せっかく便利な時代になったのだから、便利さも上手に享受しながら
(例えば、毎日ボタン一つでお風呂が沸かせて、温まれるとか)
そして身体の知恵は、もともと備わっているものなんだし、
思い出しさえすれば、それを使うコツを知りさえすれば、
できることはたくさんあると思うので
まずは、自分の身体に意識を向けること
少しずつでも、毎日やってみて欲しいなと!
そのための、きっかけ作りとして
いろいろお伝えできることは
たくさんあるので
今後も、そういうきっかけづくり
ぜひやっていこうと
へこ帯からの、想いを新たにした朝なのでした。
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