快適であることのすすめ

先日ご紹介した「からだの設計にミスはない 操体の原理」(橋本敬三著)の本に

こんな下りが出てきます。

私たちのからだはね、基礎構造が狂ってきて、少し捻じれたり曲がったりすると、てきめんに気持ちが悪くなる。そしてそれをかまわないでおくと、働きが悪くなる。それをもほおっておくと、しまいには本当に中のものがくずれたり、はれたり、腐ったり、様々な変形が見られ始めるのです。
そういうような段階、つまり、第一段階、気持ちが悪い、第二段階、働きが悪い、第三段階、中のものが変質する、というような段階があり、現代医学の病名っていうのは、中のものが変化し、機械が壊れたということが証明されて初めてつけられるんです。(P36)
これを読んで、面白い!と思ったのは、アーユルヴェーダでの健康ステージ、健康観と、ほぼ同じだったからです。
アーユルヴェーダでは、最高に健康な状態(ステージ0)から、病気の末期(ステージ6)までを7段階にわけています。
西洋医学の健康観と、アーユルヴェーダの健康観を比べてみるとこんな感じになります。
西洋医学で病名がつくのは、アーユルヴェーダの健康ステージ4からです。上の表でみてわかるように、病名がついたときはすでにいかなり低い健康状態が続いていて、それを放置したために病気の発症へと至ってしまうのです。
呼吸や排泄、消化などの働きがわるく、なんとなく胃がもたれるとか、毎日排泄がないとか、呼吸が浅くなるとか、夜ぐっすり眠れない、あるいは肩凝りなんかも、ステージ1や2の症状です。
橋本先生のいうところの
第一段階 なんとなく気持ちがわるい
第二段階 働きが悪い
というのと同じですよね。
インド発症のアーユルヴェーダであれ、
日本発症の操体法であれ、
同じ人間の身体をみているわけですから、とうぜん同じようなところにいきつくのは、当たり前といえば当たり前なのですが、
アーユルヴェーダの健康ステージについて細かく学んだものを、橋本先生があまりにも明快にシンプルに表現されているので、
これはわかりやすい!!
と、思ったのでした。
そして、あらためて「気持ち悪い」とか「心地よくない」と自分が感じたことを、これくらいどってことないからと、放置せず
どうしたら、「心地よくいられるか」「より快適な状態」になっていけるか
本来の心地よい状態にリセットできるかを、自分で探していくことの大切さを実感しました。
深呼吸空間『Green Salone』で、提案している
「思わず深呼吸してしまう、時間や空間」を増やしていく
ということも、
まずは日常で、自分がどんなふうに感じているのかを知らないと始まらないですもんね。
ですので、ぜひとも自分の身体とじっくりと対話してみてほしいなと思います。
ここで、大切なのは、「ご自分の身体と対話すること」で、
スマホで健康情報とか検索するのは、違いますからね(;^ω^)
この本の著者がすすめる「操体法」は、基本動かしやすいほうへ動かすということなのですが、
どう動かすか?の前に、
自分の体にきいて、「休みたい」のか「身体動かしたいのか」「もっと寝たい」のか、「食べたい」のか、
というのも、ありますよね。
食べたいと思って食べたけど、「本当においしいと感じたか?」
食べたあとの、お腹の具合はどんなか? 心地よい満足感なのか、食べ過ぎて苦しいのか。。。
気持ちよく眠れているのか?
などなど。。。
ふだん忙しすぎて、全てが惰性になってしまっている人も、
健康や美容に気を使いすぎて、「これはいい」「これはだめ」と、マスコミやネット情報を頭で判断し、自分の感覚をおきざりにしてしまっている人も、
ぜひとも、いったん立ち止まり、
自分にとっての「ちょうどいい」や「心地よい」を、
じっくり探して、味わってみることから始めてみてはいかがでしょうか?